ブログトップ

国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

japanbujut.exblog.jp

本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

門を破るー入身ー

敵が長柄の道具を持っている場合、その道具の操作をさせないためには我が入身をする必要がある。

新陰流の極意「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」とはそのことを説いている。
あるいは武術では「勝つための極意は相打ちの覚悟にあり」とも説いている。
これらはすべて入身の大事を説いている。

柔術でも敵に第二の攻撃をさせないために、敵が第一の攻撃を仕掛けてきたとき、身を捨てる覚悟で敵の下に入身するのを極意としている。

しかし、その入身にもしっかりとそれを遂行するための、「敵の門を破る口伝」が各流派にある。
敵はその得物によって、あるいは自ら技を仕掛けることによって、自らの門を護っているのである。
だからこそ、我はその門を突破する技術を必要とする。

それが「入身」。
武術では群を抜いて難しい技術である。
よくよく工夫をされたい。

写真は柳生志限流柔拳法の門破り入身の技。

b0287744_1982281.jpg








(完)
# by japanbujutsu | 2017-08-29 19:08 | 技法研究の部屋 Skill
股立を取る

どうして、最近の古流を稽古する人たちは袴の股立を取らないのだろうか。

踝も隠れるような長い袴を着けているのだから、稽古のときは股立ちを取るべきだろう。
これも歴代師範たちの慣習が伝えられていない証拠である。

敢えて言えば、古流の7~8割は、股立を取る慣習があったと思われる。

槍の佐分利流は常に取っているが、宝蔵院流は取ったり取らなかったり。
剣術でも念流はよく伝統を守り、股立ちをとっている。

股立を取らないということは、演武全体が腰高になっている証拠でもあり、動きが正しくない証拠でもある。

写真は仙台藩伝柳剛流剣術のセミナー(ブダペスト)

b0287744_21133999.jpg







(完)
# by japanbujutsu | 2017-08-26 21:14 | 武術論考の部屋 Study
礼法の矜持

礼法の作法・動作は流儀によって様々である。
それがまた、流儀を学ぶ楽しみの一つでもある。
礼法は流儀の顔。

b0287744_233275.jpg

それぞれの動作・所作にはすべて流儀の口伝が添えられている。

ところが、柔道や空手の試合には礼法の所作がない。
ただ頭を垂れるだけ。
中にはその頭すら垂れない者もいる。
日本武道として情けないかぎり。





(完)
# by japanbujutsu | 2017-08-23 23:33 | 武術論考の部屋 Study
流儀研究資料

関口流抜刀を始めてから流儀研究のために少しずつ伝書類を収集してきた。
それが数年でこれだけになった。

b0287744_183476.jpg

これ、すべて関口流の伝書。
流儀の歴史や文化を知ろうと思ったら、まずはその一次資料である伝書を収集しなければいけない。
これなくして研究は成立しない。

現存流儀の伝書がいろいろな場所で売られているのに、その流儀を修行している人たちはなぜそれに興味がないのだろうか。
だから日本人は何も大成することができないのだと思う。






(完)
# by japanbujutsu | 2017-08-21 17:56 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
和製短杖鎖分銅と中国の鉄鞭

和製短杖鎖分銅

b0287744_16485248.jpg

把部はもちろん木製で、短杖の先にねじれた鎖が付き、さらにその先に球形分銅が付く。
同じものはこれまで見たことがない。


中国の鉄鞭

b0287744_1649111.jpg

一方、中国の鉄鞭にはいろいろな種類があるが、紹介するものは全体が鉄製で、鎖は特殊な変形鎖を使い、分銅も細長い。

日本の武器と中国の武器は似ていてもそれぞれの国の特色がよく出ていて趣がある。
ただし、もちろんそれはアンティークに限る。

鎌術を見た場合、中国の鉤鏈刀や日本の鎖鎌は武術の道具としての姿を固持しているが、沖縄の二丁鎌はなぜあのような農具の鎌そのものになってしまったのだろうか。
隆起珊瑚礁の資源に乏しい小島ゆえに仕方のないことではあるが、もう少し改良の余地はあってもいいと思う。
中国から沖縄に伝わった武具・武器で質的・形態的に昇華したものは一つもない。






(完)
# by japanbujutsu | 2017-08-19 17:34 | 武具の部屋 Arms

by japanbujutsu