天道流鎖鎌術には敵の刀に鎖を絡ませる形はない
『秘伝』7月号が届いた。
私としては眞蔭流柔術復活の記事以外、興味のあるものはなかったが、一点だけ指摘しておかなければならないことがある。
過日行われた浅草の古武道大会の記事がグラビアカラー写真で紹介されている。
その中に私が相伝している天道流の鎖鎌術があった。
写真を一見して、さすがに驚いた。
天道流の鎖鎌術には鎖を敵の刀に絡ませる形はないからだ。
演武をした団体は我が阿部派とは系統が違うので形(技)に趣や動作の違いがあるのは仕方のないことであるが、このような流儀に存在しない技を演武されると同じ流派として看過できないこともある。
教えた人の記憶違いかとも感じたが、これは許されることではない。
流儀の理念に反しているからである。
鎖鎌は鎖を相手の武器や身体に絡ませた時点で使い物にならなくなる、というのが天道流の理念である。
正しい相伝を受けていないことは明らかである。
まさか創作をしたのでは・・・
(完)