仙台藩伝浅山一伝流柔術の内容
相沢永長斎がどこでこの流儀を相伝したか不明である。彼の師とされる浅山大膳なる人物に関してもまったく不明のままである。浅山一伝流柔術に入門して、まず最初に学ぶ表三十六箇条は、明らかに仙台藩の主流だった真極流の影響下にあるもので、受が転回・空転で逃れる特異な形となっている。永長斎は柔術と鎌・半棒を伝えたが、養子となった源五郎は、養父と相図って内容を精選、簡略化し、別の体系を創出した。その結果、古伝は崩れ、鎌と半棒は失われ、居捕も膳詰の一手を残して、他の形は悉く失伝した。なお、佐藤治郎右衛門は改編前の門人であるため、古伝を墨守したが、この系統は後継者に恵まれず、第二次世界大戦後に消滅した。
浅山一伝流の形
表
一 片手取
一 両手取
一 帯 留
一 大 搦
一 岩 石
一 膝 落
以上の六手を三十六箇条で相伝
裏手
一 三人懸
一 背 取
一 帯 取
一 扇 留
一 柄 留
一 入 身
一 膳 詰
一 よわ腰
一 五月雨
一 片手取
一 岩石
以上十二箇条
千鳥巻 以下の写真の受は会長(1984)
一 片手取
一 両手取
一 帯 取
一 胴 切
一 打 込
一 七里引
一 二人詰
一 岩 石
一 突
以上九箇条
極秘之巻
一 二人懸
一 三人懸
一 意 替
一 臍 突
一 觜 信
一 眼 突
以上九箇条
秘流之巻
一 打 込
一 袖 落
一 両手取
一 片手取
一 羽替詰
一 後 詰
一 明千鳥
一 羅 乱
一 刀 詰
一 瀧 落
一 魚 曲
一 柳 落
一 左右詰
一 四人詰
一 生 死
一 飛 龍
以上十九箇条