武蔵真筆「秦晋桃分色李楊橘合歓」
すでに紹介した武蔵真筆の二行書 「秦晋桃分色李楊橘合歓」。
この文意の調査・研究は難を極めた。
何人かの識者にも聞いてみたりした。
今回は論語普及会事務局の岡野衛様を通じて、同会編集長の山本正進様が調べてくださった解釈を紹介します。
まず訓み下しは、
秦晋の桃は色を分つれども
李楊の橘は歓を合する(李楊は合歓橘である)
意
秦と晋は世々婚姻をなしたから両性の聯姻を秦晋の好しみというが、桃の色が違うようにやはり二つの国として存続した。一方、玄宗皇帝 (李姓) と楊貴妃は、全く一つの合歓橘であり、安禄山の乱で楊貴妃命を絶ち、玄宗皇帝も退位した。よい女性と巡り合わなければ自らを失うことになる。
これを武蔵の思想、人生観とどのように結びつけて解釈するか、これからも研究を継続したい。
ご協力をしていただきました皆様方には心より御礼を申し上げます。