中澤蘇伯撰 護身術詩
中澤蘇伯撰
掀翻一喝疾於光 赤手自由能挫強
主守従攻斯術法 戦前制敵意揚々
護身術主意
夫れ本術は天地の真理、宇宙の要道たる陰陽虚実の法に則り、心體気三術の奥儀を極めし最も貴とき秘術及び至大至剛の力ある神授秘法の大事なれば、軽々しき事にあらず。抑も其主とする所は、忠孝義を基礎として、万事を大観し好き嫌ひ恐れ愛する弱点を利用し、臨機応変、主守従攻の極秘を行ひ、如何なる暴漢強者をも電光石火の瞬間に、必ず制御撃退し、容易く危難を免るゝを得べき即ち暴漢防御法、気合術極意、心身鍛練法、悟道の奥儀を応用して、精神を修養しつゝ肉體を鍛錬し、心身を剛健となして、小は一家を円満に大は天下を泰平に、要は万民をして悉く無病息災、若も一旦緩急あれば義勇公に奉じ以て天壌無窮の皇運を扶翼し、速かに陛下のしん宸襟を安んじ奉らん事を期するにあるなり。