民弥流居合の対甲冑技法 3
今回も民弥流の古伝書からその技法を紹介する。
具足着して刀抜様
左の腰を張出して刀の柄を持、右の手を上の方へすらすらと抜也。如此しては大ていの刀もぬくる也。三四尺もある刀は中取をして抜へし。他流の如鞘よりぬきはなす処にて切付て勝と云事は徒膚の時の事なり。敵も六具を固めれは、抜討に切取るはなき者也。此理を知て居合の術古今の違を可考。
この記述が簡潔明解に説いているように、居合の抜き打ちで甲冑武者を斬ることなど不可能なのである。無知な現代人が「甲冑居合」(酷い場合には「介者居合」などという造語を使ったりしている)などと称して平服で演武している姿は何とも奇妙である。
繰り返し言うように、これはかつて民弥流居合に伝えられていた口伝であり、居合そのものの技法ではない。
馬上や白兵戦において太刀で戦う場合の心得を説いたものである。
今回は臥して敵の太刀を受け、敵の内冑(兜から覗く顔面)を突き上げる技法図を掲げる。

まさに鎬を削る戦いである。















