『関口流柔術自在』
明治時代には、都市部で滅び行く古流武術を何とか後世に残そうと、賢明に形を書籍にして刊行した。
そのうち、ほぼ完璧な形で流儀のすべてを残すことに成功したのが天神真楊流柔術である。
正しく『天神真楊流柔術極意教授図解』 は同流のバイブルとなっている。
一方で、関口流天羽派もまた幾多の技法書を出版した。
著者は久松定基。
しかし、悲しいかな、こちらは完全に失伝してしまった。
明治時代にどれほど稽古されていたのかも定かではない。
そしてもう一つ日詰忠明なる者が著した 『関口流柔術自在』 という本がある。
これは紀州伝かなと思いきや、やはり天羽派の解説書である。
久松と日詰は別人であろうか。
この本には女子柔術が解説されているが、強烈な投げ技を含んでいたりして、到底女子の護身術には使えないものばかりである。
下のイラストは「仕間之事」という形。
敵が帯を掴んでくるのを、金的を蹴って外す。