古伝の一足立ち
八戸藩伝の神道無念流立居合には、他の同流には見られない独特な所作が多くある。
これは東北の外れに伝承したが故の古伝を保持した技法でもある。
そしてまた、こうした所作・動作は江戸時代に描かれた錦絵などにも散見されるものであり、その意味からは全国的にも普遍的なものであったと見ることもできる。
その一つに「一足立ち」(両足を付けて立つ)がある。
両足の爪先をそれぞれ45度に開き(両足の角度が直角になる)、前足の踵を後足の中心に付ける。
一体、どれだけの流派がこの一足立ちを伝えているだろうか。
筆者の知る限り、八戸藩伝神道無念流以外に見たことがない。
(完)