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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

師範の心得 書道

師範の心得 書道

武士は徹底して書道の教育を受けた。
今の中学生ほどの年齢になれば、御家流はすらすらと書けた。
教育を授ける者(師範)は何よりも字が上手いことが第一の条件とされた。
寺子屋の師匠も字が上手いことが絶対の条件だった。
武士ならばなおさらのこと。
ところがである。
今時の教員や武道の師範には、悪筆が多すぎる。
字が下手なのは本当にみっともない。

特に、古流の芸事を指南する人たち。
人に指南する前に書道をしっかりと学んでほしい。
芸事はその種類の如何を問わず、バランス感覚というものが非常に大切であり、また芸術としてのセンスの高さも必要である。
ミミズが這ったような字を書いていたのでは説得力がない。
外人にはこのようなことを説教することもできない。
第一、日本の文字そのものが書けないのだから。
外人に武術のすべてを伝えることはできないと筆者が言う所以である。
ややもすれば、日本人でさえ、技の習得にしか関心が無く、その付随する膨大な文化を蔑ろにする。
試合主体の現代スポーツ武道ならば技だけでも良いが、古流の師範ともなれば、伝書は自筆できるようでなければ駄目である。
一日稽古をしたら、一日書道をやる。
そのくらいの気概がなくては日本文化の真の伝承はできないと心得るべきである。

筆者とて決して上手いとは言えないが、門人に差し出す伝書はすべて自筆している。
写真は来月、関西支部長に差し出す「神道無念流立居合免許皆伝巻」。

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(完)
by japanbujutsu | 2016-12-04 17:04 | 武術論考の部屋 Study

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