所作をなくした某古流
某古流柔術の演武を見た。
しかしそれはもはや古流ではなかった。
流祖および近世の歴代相伝者にも無礼である。
まず、古流にもっとも必要な技以外の所作がない。
形には前心、通心(技)、残心、復位と一つの形の中に四つのパーツが組み込まれていて、これが連環して一つの形が成り立っている。
しかし、某流には技以外の三つがまったく見られない。
酷いのは残心がなく、しかも復位するときに相手に背を向けてぶらぶら歩き、視線を相手から外している。
両手の置き場所も滅茶苦茶。
明治以降の相伝者がしっかりとした稽古をやってこなかった証拠である。
戸塚派揚心流柔術の礼法
(完)