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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

ボタンの掛け違い

ボタンの掛け違い

これまでいろいろな場面で剣術の理合の説明を見聞してきた。
その中で大きな間違いを犯している例を挙げよう。

写真は剣と剣を切り結んだ場面。

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武術では 「合」 という。

これは形において、相手との間合い、呼吸、目付、手の内、腰の据え方、足の踏み方、得物にかかる衝撃などを学ぶ上での方法論であり、互いの剣は互いに届かない。

だから実戦では最初から双方がこの状態になるように切り結ぶことはありえない。

どちらかが踏み込んで切れば、敵に剣の物打が届く間合いが実戦の間合いである。

すなわち、敵を切る理合を説明するのにこの切り結びを例に出すのは成り立たない想定であるであるから、研究すればするほど実戦の本意からは遠ざかるのである。

敵が我を切ってきたとき (当然我に敵の剣が届いている間合いで) 我が反撃をしようとするには入り身して飛び込むか、左右に捌いて切るか、退いて剣を躱す、あるいは受け止め、受け流すかの技術が必要になる。

だから互いに切り結ぶ (敵は我に攻撃を仕掛けていない) 状態では、敵の剣を外す必要はまったくないわけであり、そのような意味のない技を実践しても、何の利徳も得られない。

形における 「合」 の意味を理解していれば、このような無駄で意味のない稽古はしないはずである。





(完)
by japanbujutsu | 2018-10-12 17:44 | 技法研究の部屋 Skill