匿名で稽古?
最近いろいろな稽古場(道場)でよく見かけるのが、「名前を公開しないでほしい」「顔写真を出さないでほしい」といった類いの匿名による稽古である。
すなわち、自分がこの稽古場で稽古をしていることを秘してほしいというのである。
もちろん、入会に際して書類を出すわけであるから、師範のもとには個人情報はあるわけである。
わが水月塾の本部では、そのような輩は当然門前払いなので、一人もいない。
歴代の師範が伝え残してきた流儀を学ぶのに、名前を出さないでほしいなどというのは、当の師範のみならず、歴代師範に対する冒涜以外の何物でもない。
仕事の関係で写真や名前を出されると困る、などというのは言い訳に過ぎない。
写真や名前を公表しても、その人の仕事や社会的身分が公表されないかぎり、気づく者はいないからである。
要するに、そういう人たちには自分がそこで稽古をしていることがばれると、立場が悪くなる何かがあるのである。
すでに以前から通っている稽古場にばれるとまずい云々・・・そんなのは正々堂々とその師範に断ればいいだけのこと。
もし、ダメだと言われたらどちらかを捨てればいいだけのことである。
当水月塾は他流との兼修は大歓迎である。
他流をやっているからこそ、水月塾の流儀がどのようなものなのか、どこが優れているのかをわかってもらえるからである。
今、県外から稽古に通っている人たちの中に初心者はだれもいない。
全員、他流経験者である。
他流を経験した者でないと、当水月塾にはたどり着かない。
武術の稽古場は忍者養成所ではない。
その稽古場で学べることに誇りを持てないようなものに武術は教えるべきではない。
わが会員たちは海外を含め、一切の秘密、隠し事を持たない人たちである。
稽古は厳しく、交流は和気藹々といきたいものだ。
(つづく)