平ノ一文字
わが国際水月塾武術協会の制定柔術、甲陽水月流において、形打ちの初めと終わりに行う立構えの姿勢を「一文字」といい、座構えを「平ノ一文字」という。
座構えの場合は、片膝をつき、片足を踏み開いて爪先に力を入れる。
天神真楊流においては両足の間隔を凡そ三尺とするが、わが制定柔術においては、踏み開いた足はそれほど伸ばさないために弱冠狭く構える。
この一文字の構えでは身体を真直になし、両肩を下げ、腹中へ十分に気息を満たす。
中心が崩れるときは身体は弱く、業も迅速にできない。
関口流抜刀の先師青木規矩男は、門人に対して常に「心正則剣正 身直則剣直」と諭し、居合においても同じ心得であることを説いた。
(完)