関口流居合の表と裏
武術形における表技と裏技の関係には二通りの解釈があり、流儀によって相違する。
一つは表の続き技としての裏技、もう一つは表の返し技としての裏技である。
柔術の裏技(裏形)の多くは表技の返し技として裏技であり、渋川一流や柴真楊流、あるいは我が水月塾制定の日本柔術はこの解釈による(勝方が入れ替わる)。
しかし、表技の続きとしての裏技も多くの流儀に見られる想定で、我が天道流剣術の八段之部の裏は表の続きになっているし、伝書に見る古伝の関口流居合の裏も表の続きになっている。
現在伝えられている関口流抜刀の古伝形は座居合の十一本のみであるが、この十一本の形はすべて裏まで通して伝えられている。
伝書の絵図を見ると、表は敵の初動を静止するまでの技、裏は敵がさらに抜刀して突いてきたときの止めの技となっている(打と仕の入れ替わりはなし)。
しかし、柳生志限流のように、表と裏に連続性はなく、裏形が表とはまったく別の取り口になっているような流儀もある。
(完)