農民宛起請文
この起請文は遠州豊田郡三家村(浜松藩領)の師範伊藤嘉兵衛に同郡山田村(旗本領)の若者が天保三年(1832)に差し出したものである。
文中に「一右不致血判者同席にて稽古致す間敷事」とあるが、同文書には血判が確認できないため写しの可能性がある。
起請文は私文書なので、入門者は苗字を記載することができるが、この文書には名前しか記載されていない。
また、一条目の文章には意味が通じない部分があり、書写した際に写し間違えた可能性が高い。
なお、伊藤嘉兵衛の先代は伊藤金之丞で、文化年間に教授している。
残念ながら流儀はわからない。
後考に待つ。
(完)