江戸時代の下緒
江戸時代の武具は、どのようなものでも姿・形、そして品質も抜群である。
現代の職人がどのように機械を駆使しても、江戸時代のものと同じものはできない。
手作り故にほとんどの武具は一点物であり、それがまた武具の価値を高めている。
以前にも一度紹介した下緒。
私は京橋に店を構えていた「いとや半治郎」製の下緒を持っているが、今般、同じ店の下緒(画像左)を入手した。
四色の糸で編み込んだ中々に洒落た品である。
長さは166cmしかないが、これはもちろん大刀用である。
現代の下緒は長すぎる。
よって現今、居合をする人たちは下緒を腰の前に廻して袴紐に挟んだりしているが、古来からの居合にそのような作法はない。
下緒は鞘に掛けて垂らしたままにしておく。
だから短い。
(完)