暮地義信翁墓参

暮地義信翁墓参

先日、思う所があって、私が郷里で唯一敬愛・尊敬する人物、暮地義信翁の墓参りに行って来た。

義信翁は幕末、風雲急を告げる世、幕府浪士組に身を投じて上洛、浪士組分裂後は清河八郎等と共に江戸に帰ったが、時勢を察して勤王派に転身、名前を暮地義信（前名早川太郎）と変え、自ら尾張帰順正気隊を結成して、奥羽戦線で戦った。

剣は北辰一刀流を開祖千葉周作の二男千葉栄次郎成之に学んで蘊奥を極め、維新後は甲州流を称えて近隣の子弟に剣術を教授した。

彼が残した『修行日記帳』には、千葉成之が自ら記した「北辰一刀流組順」があり、義信が栄次郎に形の見分を受けた際の「〇合」記号が見られる。

形の解説は後頁に行くに従って詳細になっており、唯一現伝している水戸伝北辰一刀流を参照すると正しく復元できる。

明治時代になると義信は、関東一円にその名を知られる剣道・剣術界の重鎮となり、相州大山寺奉納額には、その筆頭に義信の名がある。

明治４５年、明治天皇の崩御に接し、自宅で殉死した。

享年７７歳。

（完）