謎の柔道奉納額
武術の史跡を求めて、諸所訪ねていると、これまでだれも調べたことのない奉納額が、神社の軒下に朽ち果てて残っているのをよく見かける。
その度に、地方公共団体の、否日本人の自国の文化を見捨ててきた悪習に立腹すること頻りである。
昔日の奉納額は薄い板を使っているため、隙間ができたり、朽ちて掛けたり、あるいは虫が付いたりで、悲惨極まりない。
今回の奉納額も文字が薄れ、流儀名すらわからない。
あるいは柔道であれば流儀名はないから問題ないが、柔道には神社に掲額する慣習はない。
柔道と古流を兼修している流儀に違いないだろう。
柔道では鉢巻きは締めない。
三つの乱取り図が圧巻である。
果たして何流の奉納額だろうか。
解明は近く発行する著書で成したい。
(完)