武術史蹟調査
今も昔も古武道人のほとんどは技にしか興味がなく、長年にわたって古武道を支えてきた文化や歴代師範について調べたり、顕彰したりすることをしない。
そのため、今となっては多くの史料・資料が散逸し、調査すらできない状況に陥っている。
伝書は散逸する外、火災で焼けてしまったり、奉納額は朽ちて判読不能になり、あるいはこれも寺社の火災で灰と化してしまったりして、調べる手立てがない流儀もある。
しかし、火災でも燃えることのない、あるいは朽ちてしまうこともないのが碑石。
先般、長野県で発見した墓碑。
その正面に刻されていた文字は「制剛院捜誉徹玄居士」。
一目で柔術家だとわかる。
しっかりと記録に残し、顕彰してやりたいと思う。
(完)