各県・諸藩武道史研究
武道史の研究者が激減してしまった今、これまでにどれほどの地方武道史本が刊行されてきたかをざっと見てみたい。
以前にも書いたが、武道の実技をやる者は武道史に興味がなく、武道史を研究する者は実技に興味がない。
特に古武道(古流武術)の場合には、技法と歴史は車の両輪であって、歴史を失った古流は最早、古流ではあり得ないのである。
そこで、これまでに(というよりもすでに昭和の時代に終わっている)発行されてきた各県・諸藩の武道史研究書を列挙したいと思う。
圧倒的に剣道史が多いのは、柔道家がいかに研究心に欠けているかを表象している。
なお、思いつきで書いているため、正確ではない。
◆青森県
『青森県剣道史』『八戸藩の武芸』『津軽のやわら』
◆岩手県
『盛岡藩古武道史』
◆宮城県
『仙台藩武術史研究』(一)~(三)※拙著
◆福島県
『会津剣道誌』
◆茨城県
『茨城県剣道史』
◆栃木県
『栃木県剣道史』
◆群馬県
『上毛剣客史』『上毛剣術史』
◆埼玉県
『埼玉武芸帳』
◆静岡県
『田中藩武道史』
◆山梨県
『山梨県剣道史』
◆新潟県
『新発田藩剣道史』
◆富山県
『富山県柔道史』
◆石川県
『加賀武術の遺蹤』
◆鳥取県
『鳥取藩剣道史』
◆岡山県
『岡山県柔道史』
◆島根県
『雲藩武道史』
◆山口県
『岩国柔道史』
◆香川県
『讃岐柔道史』
◆高知県
『土佐武道史話』
◆佐賀県・長崎県
『肥前武道物語り』『平戸藩の武芸教育』
◆熊本県
『肥後武道史』
以上である。
空白の都道府県のいかに多いことか。特に関西はまったく手つかずである。
さらに、東京・神奈川・千葉、大阪・京都・兵庫、中京といった大都市圏の武術史研究は壊滅的である。
唯一、わが水月塾元会員の西躰勇氏が兵庫県の武術を調査しており、近い将来に書籍として発行されんことを期待している次第である。
(完)