『養生一言草』(三)
剣術。
まず、腰板のある稽古場が見もので、壁に槍か六尺棒と思しき道具が掛けてある。
壁は塗り壁だろうか、ひび割れを起こしている。
防具に目を転じると、面はほぼ現行の形態ができあがっていることがわかる。
面布団の色が藍色と白になっているのが面白い。
図では、現行剣道では失われた、一文字受けを見事に描いている。
足構えもしっかりと撞木に踏んでいる。
これは受けている方が「一本」と見るべきである。
また、袴の裾をたくし上げており、膝から下はむき出しである。
胴も竹胴で趣がある。
(つづく)