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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:秘伝書の部屋 Secret densho( 145 )

花押と印判

先日、 「なんでも鑑定団」 で古文書が鑑定されており、そのときに鑑定士が、
「花押と印判はどちらか一つあればいい」
と断定し、依頼人の花押と印判のある古文書は 「ニセモノ」 と鑑定された。

この鑑定に、武術の伝書を毎日眺めている筆者は非常に違和感を感じた。
武術の伝書では、むしろ両方がなければ 「ニセモノ」 とされることが多いからである。

そう言われて改めて通常の文書を見てみると、確かにどちらか一つしか見られない。
しかし、だからと言って、両方あるものを即座に 「ニセモノ」 と断定するのは早計ではないか。

どうも腑に落ちないので、もう少し研究してみたいと思う。


こちらは俗に 「三行半」 と呼ばれている離縁状である。

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確かに印判は押されていない。







(完)
by japanbujutsu | 2018-04-22 22:01 | 秘伝書の部屋 Secret densho
九鬼神流棒術免許巻

先日、九鬼神流棒術免許巻がオークションに出品されていた。

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「忍者たち」 にも人気の流派なので破格の高値で落札されたようだ。
よほどのことがないかぎり、この伝書は二度と日の目を見ないだろうから、ここで少し述べてみたいと思う。

発行者は石谷竹松正次で、被授者は松原庄太郎、明治32年の差し出しである。

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過去に同じ石谷の明治期の伝書はいくつか見ており、これが初めてではない。
しかし、石谷以前の伝書については未見であり、当然、九鬼神流の江戸時代の伝書は見たことがない。

筆者は九鬼神流棒術を高松系と木葉系の両系で学んでおり、棒・半棒ともに形はすべて打つことができる。
しかし、この流儀に名を連ねることをよしとしない。
その理由はだれにでもわかるだろう。

『武芸流派大事典』 では、石谷松太郎の諱は 「隆景」 としており、その先代である石谷武甥の諱を 「正次」 としている。
いずれにしても石谷松太郎は高松の師であり、松太郎は大国繁治英政および石谷武甥の弟子である。

流儀の江戸期の歴史が創作されたものであることは、『武芸流派大事典』 の記述から明らかである。
創作した人物も知っている。






(完)
by japanbujutsu | 2018-04-13 17:51 | 秘伝書の部屋 Secret densho
高瀬資料館

木曽福島にある高瀬資料館を訪れた。

この町には幕末期に剣豪、遠藤五平太がいた。
遠藤は浅利又七郎の高弟で、恐らく当時最強だった。

高瀬家の先祖は彼の高弟であり、武衛流砲術指南役として山村代官所に出仕した。

資料館には残念ながら武具類は残されていなかったが、伝書が多く保存されている。

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詳細は 『水月』 で論じる予定である。






(つづく)
by japanbujutsu | 2018-02-08 17:36 | 秘伝書の部屋 Secret densho
伝書の解読

筆者は武術史と郷土史を独学で始めた。
というよりもこれを教える人なんかどこにもいなかった。
この未知なる歴史に光を当てるためには一次資料である「古文書の解読」が必要不可欠だった。
しかし、これも指導者なんかいない。
町のカルチャーセンターに古文書講座なるものがあったが、そんなものに通っても読めるようになるわけがない。
とにかく独学で古文書を毎日読みまくった。
『古文書解読辞典』を山のように買い込んで、とにかく読んだ。
一文字を読むために一週間かかることは珍しいことではなかった。
トイレの壁にコピーを貼り付け毎日にらめっこ。
読めたときは本当にうれしい。
さて、そこでである。
皆さんはここに紹介する伝書をすらすら読めるだろうか。
同じ日本人が日本語で書いた文章である。
もし、あなたが歴史を研究しようという気持ちが少しでもあったら、古文書の勉強をしてください。
何日かかろうともあきらめずにやり続ける。
そうしなければ読めるようにはならない。
下の本覚克己流の伝書序文は武家の御家流の正しい崩しで書いてあるので筆者はすらすらと読める。

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人は何かやろうと思ったら決断と実行が大切。
たとえば、あなたが真剣に武術の修行に励み、師範になったとする。
この伝書と同じ伝書を門人に与えなくてはならない。
ならば金釘流ではなくて、御家流を学ぶために書道教室に通うべきである。
通う決断がないのなら、師範になる資格もない。
筆者は海外でよく言う。
英語文化圏でない門人にはとにかく英語を勉強しなさいと。
しかし、まったくダメ。
始めようともしない。
英語を話せる門人には日本語を学びなさいと。
しかしこれまた全く実行しない。
日本語が理解できなければ日本武術も理解できないことを彼らは知らない。
武術は技ばかりではないことを。
技だけ知ってすべてを知ったと思ったら大間違い。
日本文化はそんなに浅はかなものではない。
みなさん、今年は決意し、一日も早く自分に欠けていることを始めてください。
決断と実行が必要です。
動かなければ始まりません。         

以上






(完)
by japanbujutsu | 2018-01-27 17:54 | 秘伝書の部屋 Secret densho
破軍星の大事

無双直伝流和極意二十四ヶ條の一に 「破軍星の大事」 がある。
幸い筆者はその絵目録を所有しているので、他の同流資料との比較分析ができる。
しかし、この破軍星の大事に関しては 「時四つさかい月影」 とあるだけで、何も語ろうとはしない。

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破軍星は北斗七星の柄先の星をさす中国名である。
中国では輔星 (宰相の星) として注目された。
破軍星を剣先に見立てて、その方向に向って戦うものは勝ち、逆らって戦うものは負けるとして吉凶を占った。剣先星とも呼び、武将の信仰を集めた。
北斗七星の大半は日本では日周運動によって地平線下に沈むことがない。

陰陽道では、その星の指し示す方角を万事に不吉として忌んだ。

中世には武士の守護神として敬われ、千葉氏、相馬氏、大内氏など地方の豪族たちによって信仰されたが、これは破軍星を弓箭の神として崇拝されたことによる。

台湾振興社武術においても七星信仰は重要な位置づけにある。







(完)
by japanbujutsu | 2018-01-02 17:48 | 秘伝書の部屋 Secret densho
習字

門弟に伝書を差し出すとき、代書してもらってはいないだろうか。
もしも、そんなことがあろうことなら、その伝書は 「ニセモノ」 である。
他人に代書してもらい、判子屋に判子を作ってもらう。
そんなことは誰にだってできる。
つまり伝書の 「ニセモノ」 を作るのは簡単である。

だから師範たる者、しっかり書を学び、伝書は自筆して門弟に差し出すのが本意である。
自筆はその師範本人だけのものであり、それこそ 「ホンモノ」 である。

筆者とて人に誇れるような手ではないが、それでも日常、つねに運筆の稽古をし、伝書は必ず自筆している。
いつも書いているのは 「いろは歌」。

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これを稽古していると古文書を読むときにも変体仮名に強くなる。
だからいろいろな字体で書くようにする。
仮名は柔らかくて女性的で、なめらかな線を書く稽古には最適である。

皆さん、一度騙されたと思ってやってみてください。
面白くないと思ったらお終い。
面白いと思ったらしめたもの。





(完)
by japanbujutsu | 2017-10-23 21:48 | 秘伝書の部屋 Secret densho
自然外中剣

某流の極意に 「自然外中剣」 というのがある。
難解な節を中心とし、月の満ち欠けを口伝とする極意である。

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この流派の祖は佐々木水円。
流祖は難解な口伝を設けることによって流儀を装飾し、付加価値を与えた。
すなわちこれを武士が学習する、そして伝承する 「文化」 のレベルにまで昇華させたのである。

これが日本武術の真骨頂であろう。

詳細な考証は 「水月」 で為す。





(完)
by japanbujutsu | 2017-10-19 23:45 | 秘伝書の部屋 Secret densho
天神真楊流柔術 誘活

手元に天神真楊流柔術で最初に授けられるもっとも基本的な活法である 「誘活」 の切紙伝書がある。

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これは各階梯の相伝巻 (天・地・人・陰・陽) とは別に授けられる。

その活法の内容は広く知られているので、それをここに述べても仕方がない。

今回はここに紹介する伝書により、これまで語られてきた天神真楊流の歴史が塗り替えられる可能性があることを示しておく。

すなわち、この伝書が出されたのが天保七年であり、その差出人山本末之丞一心斎は流祖磯又右衛門正足の直門である。

何が問題かというと、磯が楊心流を修行したのは文政年間とされており、さらにその数年後、真之神道流を学んでいることから、それが正しいとすればこの伝書は磯が天神真楊流を開く前か、あるいは開いて直後の差し出しということになる。
磯の文化元年出生説も完全にひっくり返る。

伝書は山本の直筆であるから家元制度もまだ整備されていなかったということだろうか。
免許者の号、柳○斎もまだ見られない。

古流では新しい流派であるのに、まだまだ不明な点が多い。
この流派が研究者に恵まれなかったことが原因の一つだろう。





(完)
by japanbujutsu | 2017-05-25 22:42 | 秘伝書の部屋 Secret densho
諸賢がご存じのように、古来から芸事の伝授においては伝授巻が用いられた。

現在では古流、古武道を称していながら伝授巻を差し出していない流儀が多いという。
もはやそれは古武道ではないと知るべきである。
伝授の証明に伝授巻がないなど、日本の伝統武士文化として失格である。

階級に段位制度を設けるのはかまわないが(当会も海外との相関性を持たせるため採用している)、
元来、武術は他者と資格を競合するものではなく、自己実現のための稽古事である。
段位なるものは己の相対的位置を知るためだけのものであり、流儀の相伝にはまったく関係しない。

海外でもこうした日本の故実を知る師範クラスの者は伝授巻の発行を望むが、普通の稽古人レベルでは関心もないようである。
しかし、それは日本の師範が彼らに本来の正しい古流伝授の在り方を示さなかったための弊害であり、彼らに何ら責任のあることではない。
むしろ日本人で古流を修行していながら伝授巻の発行を望まない者がいるのはどうしたことかと思う。
そんな者は古流の修行は止めた方が良い。

画像は来月修行にやって来るハンガリーのブダペスト支部長に差し出す甲陽水月流柔術の伝授巻。
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(完)
by japanbujutsu | 2017-05-08 17:52 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 最終回 杖

河一方流の最終回は杖を紹介する。

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これまた見たことのない杖で、杖尻がラッパ状に広がっており、 「徳利頭」 の名が付いている。
手の滑り止め防止策なのであろう。

一方、杖先にも「帽子入」の名称が付いているが、どのような工夫があるかわからない。
多分、図から判断すると、鉄で覆ってあるのだと思う。





(完)
by japanbujutsu | 2017-04-25 17:15 | 秘伝書の部屋 Secret densho

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