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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:秘伝書の部屋 Secret densho( 149 )

口伝書

火術口伝書。

口伝書。

口伝。

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書いたらダメでしょ。






(完)
by japanbujutsu | 2018-11-11 17:10 | 秘伝書の部屋 Secret densho
佐分利流鍵鑓教義口伝

筆者は誠に残念ながら、これまで学んできた武術において、この伝書に書かれているような武具・道具類に関する口伝を師匠から受けたことが一度もない。

というよりも、流儀にそもそもそのような教義が存在していないのだろう。

そこへいくと、佐分利流などは歴代の相伝者が道具に関する深奥な教義を確立しており、それを伝える文化が完成している。

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なんと恵まれた素晴らしい流儀だろう。

このような武術が伝えられていることを相伝者は誇りに思うべきである。
古流なのだから。






(完)
by japanbujutsu | 2018-10-16 17:15 | 秘伝書の部屋 Secret densho
佐分利流槍術の鍵鑓

日本で唯一健全な姿で継承されている槍術は広島の佐分利流であろう。

もしも筆者が西日本に住んでいたら、真っ先に習いに行った流儀である。
それにしても、訳のわからぬ創作流儀や、歴史を捏造した流儀、また一度切れたはずの相伝がなぜか繋がれている流儀などが蔓延る関西の武術の中で、健全に伝承されているのは2~3の流儀のみだろう。

西日本で正統な古流を学ぶのであれば、関西は外した方がいいと思う。
理由はいろいろあるが、このような場で述べることではない。

まあとにかく、江戸時代から健全に継承されている佐分利流はやはり伝書も充実している。
使用する道具類には事細かに意味深長な口伝があり、今回紹介する伝書にも佐分利流で使用する鍵鑓の口伝が詳細に書かれている。

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五と十二という古流では極めて重要な数字で武具の特性を教えている。
そこには古流の奥深い哲理の世界を垣間見ることができる。

このような流儀の深遠な教えこそ、修行者は大事にしていかなければならない。
師匠がこうした口伝を伝えていなくても、正統な古流であれば伝書からいくらでも学ぶことはできる。
技や形だけ習って満足しているようでは古流修行者として大失格であろう。






(完)
by japanbujutsu | 2018-10-10 17:04 | 秘伝書の部屋 Secret densho
弓術 蟇目足踏

水月塾姫路支部の西躰氏はいつも本部の稽古に参加する際、入手した伝書を持参してくれる。

今回は小太刀と弓術蟇目の伝書を見せていただいた。

その弓術の伝書中に 「蟇目足踏」 のことが書かれており、足の踏み方が図解されている。

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それを見ると足の爪先は見事に180度開いており、一直線に踏んでいることがわかる。
それでこそ綺麗な一重身の構えが成立するのであり、足先と矢先がともに的に向く武術における基本中の基本が守られるわけである。

ところが、現代人が射る蟇目はどうだろう。
左足の爪先が全部内側を向いている。

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これでは某流の槍術と同じであり、力の発動と身体の構えが乖離してしまい、正しい事理一致は望めない。

正式に相伝を受けないと、すべてがこのような楽な動作や構えに陥ってしまう。

ざっと見たところ、正しい足踏みが行われている会派は皆無であった。

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(完)
by japanbujutsu | 2018-08-26 22:00 | 秘伝書の部屋 Secret densho
花押と印判

先日、 「なんでも鑑定団」 で古文書が鑑定されており、そのときに鑑定士が、
「花押と印判はどちらか一つあればいい」
と断定し、依頼人の花押と印判のある古文書は 「ニセモノ」 と鑑定された。

この鑑定に、武術の伝書を毎日眺めている筆者は非常に違和感を感じた。
武術の伝書では、むしろ両方がなければ 「ニセモノ」 とされることが多いからである。

そう言われて改めて通常の文書を見てみると、確かにどちらか一つしか見られない。
しかし、だからと言って、両方あるものを即座に 「ニセモノ」 と断定するのは早計ではないか。

どうも腑に落ちないので、もう少し研究してみたいと思う。


こちらは俗に 「三行半」 と呼ばれている離縁状である。

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確かに印判は押されていない。







(完)
by japanbujutsu | 2018-04-22 22:01 | 秘伝書の部屋 Secret densho
九鬼神流棒術免許巻

先日、九鬼神流棒術免許巻がオークションに出品されていた。

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「忍者たち」 にも人気の流派なので破格の高値で落札されたようだ。
よほどのことがないかぎり、この伝書は二度と日の目を見ないだろうから、ここで少し述べてみたいと思う。

発行者は石谷竹松正次で、被授者は松原庄太郎、明治32年の差し出しである。

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過去に同じ石谷の明治期の伝書はいくつか見ており、これが初めてではない。
しかし、石谷以前の伝書については未見であり、当然、九鬼神流の江戸時代の伝書は見たことがない。

筆者は九鬼神流棒術を高松系と木葉系の両系で学んでおり、棒・半棒ともに形はすべて打つことができる。
しかし、この流儀に名を連ねることをよしとしない。
その理由はだれにでもわかるだろう。

『武芸流派大事典』 では、石谷松太郎の諱は 「隆景」 としており、その先代である石谷武甥の諱を 「正次」 としている。
いずれにしても石谷松太郎は高松の師であり、松太郎は大国繁治英政および石谷武甥の弟子である。

流儀の江戸期の歴史が創作されたものであることは、『武芸流派大事典』 の記述から明らかである。
創作した人物も知っている。






(完)
by japanbujutsu | 2018-04-13 17:51 | 秘伝書の部屋 Secret densho
高瀬資料館

木曽福島にある高瀬資料館を訪れた。

この町には幕末期に剣豪、遠藤五平太がいた。
遠藤は浅利又七郎の高弟で、恐らく当時最強だった。

高瀬家の先祖は彼の高弟であり、武衛流砲術指南役として山村代官所に出仕した。

資料館には残念ながら武具類は残されていなかったが、伝書が多く保存されている。

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詳細は 『水月』 で論じる予定である。






(つづく)
by japanbujutsu | 2018-02-08 17:36 | 秘伝書の部屋 Secret densho
伝書の解読

筆者は武術史と郷土史を独学で始めた。
というよりもこれを教える人なんかどこにもいなかった。
この未知なる歴史に光を当てるためには一次資料である「古文書の解読」が必要不可欠だった。
しかし、これも指導者なんかいない。
町のカルチャーセンターに古文書講座なるものがあったが、そんなものに通っても読めるようになるわけがない。
とにかく独学で古文書を毎日読みまくった。
『古文書解読辞典』を山のように買い込んで、とにかく読んだ。
一文字を読むために一週間かかることは珍しいことではなかった。
トイレの壁にコピーを貼り付け毎日にらめっこ。
読めたときは本当にうれしい。
さて、そこでである。
皆さんはここに紹介する伝書をすらすら読めるだろうか。
同じ日本人が日本語で書いた文章である。
もし、あなたが歴史を研究しようという気持ちが少しでもあったら、古文書の勉強をしてください。
何日かかろうともあきらめずにやり続ける。
そうしなければ読めるようにはならない。
下の本覚克己流の伝書序文は武家の御家流の正しい崩しで書いてあるので筆者はすらすらと読める。

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人は何かやろうと思ったら決断と実行が大切。
たとえば、あなたが真剣に武術の修行に励み、師範になったとする。
この伝書と同じ伝書を門人に与えなくてはならない。
ならば金釘流ではなくて、御家流を学ぶために書道教室に通うべきである。
通う決断がないのなら、師範になる資格もない。
筆者は海外でよく言う。
英語文化圏でない門人にはとにかく英語を勉強しなさいと。
しかし、まったくダメ。
始めようともしない。
英語を話せる門人には日本語を学びなさいと。
しかしこれまた全く実行しない。
日本語が理解できなければ日本武術も理解できないことを彼らは知らない。
武術は技ばかりではないことを。
技だけ知ってすべてを知ったと思ったら大間違い。
日本文化はそんなに浅はかなものではない。
みなさん、今年は決意し、一日も早く自分に欠けていることを始めてください。
決断と実行が必要です。
動かなければ始まりません。         

以上






(完)
by japanbujutsu | 2018-01-27 17:54 | 秘伝書の部屋 Secret densho
破軍星の大事

無双直伝流和極意二十四ヶ條の一に 「破軍星の大事」 がある。
幸い筆者はその絵目録を所有しているので、他の同流資料との比較分析ができる。
しかし、この破軍星の大事に関しては 「時四つさかい月影」 とあるだけで、何も語ろうとはしない。

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破軍星は北斗七星の柄先の星をさす中国名である。
中国では輔星 (宰相の星) として注目された。
破軍星を剣先に見立てて、その方向に向って戦うものは勝ち、逆らって戦うものは負けるとして吉凶を占った。剣先星とも呼び、武将の信仰を集めた。
北斗七星の大半は日本では日周運動によって地平線下に沈むことがない。

陰陽道では、その星の指し示す方角を万事に不吉として忌んだ。

中世には武士の守護神として敬われ、千葉氏、相馬氏、大内氏など地方の豪族たちによって信仰されたが、これは破軍星を弓箭の神として崇拝されたことによる。

台湾振興社武術においても七星信仰は重要な位置づけにある。







(完)
by japanbujutsu | 2018-01-02 17:48 | 秘伝書の部屋 Secret densho
習字

門弟に伝書を差し出すとき、代書してもらってはいないだろうか。
もしも、そんなことがあろうことなら、その伝書は 「ニセモノ」 である。
他人に代書してもらい、判子屋に判子を作ってもらう。
そんなことは誰にだってできる。
つまり伝書の 「ニセモノ」 を作るのは簡単である。

だから師範たる者、しっかり書を学び、伝書は自筆して門弟に差し出すのが本意である。
自筆はその師範本人だけのものであり、それこそ 「ホンモノ」 である。

筆者とて人に誇れるような手ではないが、それでも日常、つねに運筆の稽古をし、伝書は必ず自筆している。
いつも書いているのは 「いろは歌」。

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これを稽古していると古文書を読むときにも変体仮名に強くなる。
だからいろいろな字体で書くようにする。
仮名は柔らかくて女性的で、なめらかな線を書く稽古には最適である。

皆さん、一度騙されたと思ってやってみてください。
面白くないと思ったらお終い。
面白いと思ったらしめたもの。





(完)
by japanbujutsu | 2017-10-23 21:48 | 秘伝書の部屋 Secret densho