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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:技法研究の部屋 Skill( 156 )

居合に関する無教養

居合に関する記述や動画を見ていると、あまりにも無知・無教養な説明・発言が目立つ。

もっといろいろ研究してから世の中に公開したり、しゃべったりした方がいいのではないか。

自流の理合いすら理解していないのは、どういうことだろうか。

例えば関口流抜刀 ( いあい、と読む ) の一本目 抜打先之先
( ※古伝では 「 抜刀術 」 とは書かず 「 抜刀 」 としか書かない )
この一本目の古名は 「 左剣 」 という。
これは敵がまだ初動を見せないが、明らかに殺気を感じたときに 「 先之先 」 で倒す技である。

それを、某氏の説明に拠れば 「 敵が柄に手を掛けたので・・・」 から解説が始まっている。
よほどのうすのろ間抜けでない限り、先に柄に手を掛けた方が早く抜刀するに決まっている。
敵が柄に手を掛けてから、こちらがそれを止めるために後から抜刀して小手を押さえるのだという。
よほど動作の遅い敵なのだろう。
馬鹿馬鹿しくて話にならない。

下の画像のように我先に敵の機先を制して抜刀する。
この時点で敵は遅れて柄に手を掛ける。
その手を我が刀で押さえる。
これが先之先の正しい理合いである。
矛盾を平気で、何の検証もなく述べるのは先師に対する冒涜でしかない。

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また一方で、ある関口流の人が、某流派の非合理性を一生懸命指摘しているが、その某流派がやっていることは本当の古流の教えであり、正しい刀捌きをしている。
井の中の蛙が安易に他流を誹謗してはいけない。
正当なことを述べるのであれば、もっと十分に他流や故実を研究して、しっかりとした論拠を以て述べるべきである。
私感、主観だけで人を中傷する者は必ず自滅する。






(完) 
by japanbujutsu | 2019-03-12 18:50 | 技法研究の部屋 Skill
雌雄の術

セクソロジーに 「四十八手」 というのがある。
それぞれに風雅な形の名称が付いている。

このことについて筆者はかつて古流柔術専門誌 『和儀』 に詳細な論文を発表したことがある。
そう、性交の体位名称には柔術形に共通するものが少なくないからだ。

筆者が伝承している仙台藩伝浅山一伝流柔術の 「鶯の谷渡」 や柔術渋川一流の 「鶴の巣籠」 は性交にも同じ名称の体位がある。

ところで、起倒流の組討は別に 「雌雄の術」 という。
まさにセクソロジーの世界である。

双方、寸鉄も帯びずにそれぞれの形を肉体で表現するところに日本の身体哲学がある。

起倒流の伝書に 「組討雌雄之術を鍛錬し・・・」 とある。

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(完)
by japanbujutsu | 2019-02-14 17:05 | 技法研究の部屋 Skill
手の内の鍛錬

剣術における手の内の鍛錬の仕方にはいろいろある。

木刀による素振りはそのもっとも簡易な方法である。

墨僊画の 『写真学筆』 の挿絵は武術稽古の様子を非常にリアルに表現している一級史料であり、当時の様子について詳しく知ることができる。

そこに描かれている木刀による 「横木打ち」 は、手の内の養成に欠かすことのできない重要な鍛錬である。

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筆者は30年ほど以前、庭にあった栗の木を袈裟斬りの鍛錬に使って、枯らしてしまったことがある。

しかし、ここで注意しなければならないことは、木刀が横木を打った時点で否応なしに止められてしまうことであり、そのために腕に跳ね返ってくる振動に対処しなければならないことである。

実際に人を斬る場合には刀は人体に食い込み、あるいはバッサリ切り伏せてしまうわけで、まったく手の内に跳ね返る振動は違うものとなる。

だからこそ横木打ちの場合には、打った瞬間に強く木刀を握りしめると同時に、その振動を逃がす工夫も必要になる。

このパラドックスする技術の習得にこそ、横木打ち(立木打ち)の意義がある。

よくよく工夫すべし。

なお、余談であるが、挿絵の人物がサウスポーで描かれているのが非常に気になるところである。
故意にそう描かれたとすれば、また違った見解を述べることができるのであるが。






(完)
by japanbujutsu | 2019-01-19 07:24 | 技法研究の部屋 Skill
薙刀の集団演武

そもそも武術に集団演武というようなものはない。
これは明治時代、日本に西洋から軍事教練が入り、武術の「訓練」もその一環として軍事色の濃いものへと変質していった結果できたものである。
多くの場合、宮様の来訪時や運動会などにおいて校庭で演技された。

本来、武術の演武は自分の呼吸で自分の「色・味」を出して行うべきものである。
廻りの動作に合わせる必要などどこにもない。

しかし、集団演武として行われたために薙刀は絵はがきとして多く残り、それによって当時の様子を詳しく知ることができる。

これは浦和高等女学校の大運動会での一コマである。

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袴の結びは蝶々結びになっており、袴の下部には白い線が一本入っている。
名流の薙刀であろうか。

写真中央の女の子は腰が安定していてよいが、身体が正面を向いてしまい、顔が傾いてしまっているのが難点である。
その右後ろの子が写真の中ではもっとも姿勢がしっかりしている。

こんな運動会が復活すればいいと思う。






(完)
by japanbujutsu | 2018-12-31 17:55 | 技法研究の部屋 Skill
渋川流柔術外物(鍛錬)③ 引立

第3回 引立

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一人は立って相手の手首を両手で掴み、引き込む。
もう一人は片膝を着き、前になる足で相手の足を踏み、互いに引き合う。





(つづく)
by japanbujutsu | 2018-12-25 17:00 | 技法研究の部屋 Skill
渋川流柔術外物(鍛錬)② 帯曳

第二回 帯曳

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方法
帯を引く者は右手で下から帯を掴んで左足を引き、引っ張る。
受ける者は両手で相手の腕を掴んで引っ張る。

互いに動かぬよう鍛錬する。






(つづく)
by japanbujutsu | 2018-12-23 18:14 | 技法研究の部屋 Skill
渋川流柔術外物(鍛錬)① 胸押

渋川流柔術では形稽古に並行して 「外物」 と称する鍛錬法があった。
簡単にできるので、柔術修行者は試してみるとよい。
第一回は 「胸押」

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方法
互いに居合膝に座り、右手を相手の胸に当てて押し合う。
鍛錬であるから動かぬよう踏ん張る。






(つづく)
by japanbujutsu | 2018-12-21 17:06 | 技法研究の部屋 Skill
墳原卜伝流当身拳法(2)

今回は、敵の右雁下を当てる「野中大手」の一手を紹介する。

これは敵が右拳を振り上げた瞬間に飛び込み、その肘を右手で止め、すかさず左拳で右雁下を当てるという手である。

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当てに用いる拳は返さず、手の甲を下にしたまま、捻らずに突く。
これは柔術における当身の鉄則である。

右手で受けて左拳で突くのは、敵の死角に入るための重要な捌きである。

一つの絵から学ぶことはいろいろある。





(完)
by japanbujutsu | 2018-11-09 17:25 | 技法研究の部屋 Skill
墳原卜伝流当身拳法(1)

水月塾埼玉支部長は当身が大好きであり、柳生心眼流や柴真揚流を大変好んで稽古している。
また、氏は独自に柳剛流の殺活術の研究も精力的に進めている。

筆者の公刊本のデビュー作 『 日本柔術当身拳法 』 は愛隆堂の武道書の中でダントツ一位の売り上げを記録しており、恐らくこの半世紀に出版された武道書の中でもベストセラーではないかと思われる。
(ちなみに他の同種の本の10~15倍の売り上げを記録している)

今回は、松代藩に伝承した系統の墳 (塚) 原卜伝流腰廻 (腰廻とは柔術のことであり、居合ではない) の絵目録によって、敵と接触した瞬時に食らわす当身の技法について、少し述べてみたい。

まずは、水月の当て。
これは、我の右手を敵が行き違いざまに右手で掴んだ瞬間、我は転身して左手で敵の右腕の逆を極め、すかさずその右背掌で敵の水月を当てる。

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という凄まじい一手である。
最初に水月の当を持ってくるのは、それが最重要であり、しかも極意であるからだ。

これを武田流合気之術 (大庭一翁が八光流から開創) では 「ほぞち打ち」 という。
筆者もそれを学生時代に学んだことがあり、打ち方に秘伝・口伝がある。






(つづく)
by japanbujutsu | 2018-11-07 17:40 | 技法研究の部屋 Skill
これをどうして武道とよべようか

写真を見てほしい。
あなたはどちらが勝者だと思いますか。

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これ、勝ったのは天理大の彼!!!
胴を抜いて一本勝ちだとか。

すごいですよね、首が飛んでも勝つのですから。
絶命しているのは完全に天理大の彼のはずだが・・・

試合前に蹲踞礼をするだけ柔道よりはましだと思うが、試合中の動作・姿・技はとても武道とは呼べない 「スポーツ」 である。

刃筋も正中線も滅茶苦茶である。

武道は何処へ消えてしまったのか・・・







(完)
by japanbujutsu | 2018-10-14 17:00 | 技法研究の部屋 Skill