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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:技法研究の部屋 Skill ( 144 )

日本の棒術と沖縄の棍

日本の棒術は本来、力信流に見られるように二対一把持であり、剣の操法と同一の理論で成り立っている。
すなわち、棒端を両手で把持して棒先を長く出して使う。

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そうしなければ、剣に対して有利な間合いが確保できない。
したがって、棒対棒で形を打つときにも、棒は長く大きく使う。
だから力信流の棒術はダイナミックで豪快である。

一方、沖縄の棍は三等把持である。
そのため棒先は短い。

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これは剣と同じ間合いになり、剣を相手にした場合には極めて不利である。
沖縄の棍には剣を相手にする想定がないので、三等把持になったものと考えられる。
(金鷹拳の七星齊尾棍は長く使う)

薙刀でも香取神道流や直元流は短く使うが、穴澤流は剣と同じ理合で長く使う。






(完)
by japanbujutsu | 2018-09-16 17:48 | 技法研究の部屋 Skill
薙刀VS鍵槍

現在、薙刀と槍合わせを伝える流儀はわずかにしか残っていない。

画像は 『天狗芸術論』 の挿絵である。
薙刀は真刃、鍵槍は稽古用たんぽ槍である。
この様子から想定できる稽古は、鍵槍が薙刀の攻めを防ぎ、突いて返すというもの。
本来は薙刀側に防具が必要だろう。
そうでなければ槍にたんぽは必要ない。

異様なのは帯刀したまま稽古をしていること。
床の上には抜き身の刀も置いてある。
享保十四年 (1729) の刊本なので、稽古着はまだ見られない。
まだまだ江戸期の武芸については研究の余地が多くある。

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(完)
by japanbujutsu | 2018-05-23 18:52 | 技法研究の部屋 Skill
誤った伝承

武術が長年にわたって代々継承されていくうちに変容・変質していくことは致し方ないことである。
それは伝承する者の体格であったり (師匠と弟子の体格が極端に異なると、そのままそっくりの体動は再現できない)、修行期間であったり、伝承能力であったりということに起因する。

しかし、そうした状況下にあっても武術の大原則というものは絶対に墨守していかなければならない。
その大原則が失われた例として、

○手裏剣を打つときに野球の右投げと同じように左足前で打つこと。
○長柄の道具を使う時に前足の爪先が前を向いていないこと。

などがあり、このような致命的な誤伝が各流各派で散見されるのが現状である。
大原則だけは絶対に崩してはならない。

槍術は宝蔵院流を伝え、柔術・手裏剣は制剛心照流を伝えた山口喜一氏の写真を見ると、槍の足も手裏剣の足も正しく使われていることが一目瞭然である。

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(完)
by japanbujutsu | 2018-05-10 17:52 | 技法研究の部屋 Skill
後ろ足の踵

正統古流の姿勢・技法で絶対にやってはいけないことの一つ。

その一つが居合の場合に斬りつけ時や納刀時において後足の踵が浮くこと。

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これは古流ではタブーである。

居合は剣道と兼修する者が多いので 「撞木足」 を苦手とする者が多い。

そもそも後足の爪先が前を向くこと自体、古流ではありえないのである。
地 (床) から力 (エネルギー) を得ることが不可能となるために、下丹田に力が入らない。
さらに足の重要な指使いができない。
その他、欠点だらけの足使いになってしまう。

それがスポーツならば何も言わないが、「武道」 を標榜するのであれば、それはとんだ見当違いであろう。

現代制定居合と古流居合を兼修するのは両者にとって大なる弊害である。






(完)
by japanbujutsu | 2018-05-10 17:20 | 技法研究の部屋 Skill
姿勢と正中線のこと

武芸の形を演じるとき、もっとも注意しなければならないのは、言うまでもなく姿勢である。
正中線を立て、体が傾かず、両眼は平視して、体を揺らさず、機敏に動く。

形の上手下手は歩く姿勢からもわかる。
姿勢の悪い人、とくに猫背(かつては「せむし」と呼ばれた)の人は、まず、日常胸を張ることを意識して身体を矯正しないといけない。

最近は感動するような演武をほとんど見ることができなくなってしまったが、筆者が素晴らしい演武だと思うのはかつて鳥飼よし女史が演じた香取神道流の薙刀である。
上記の条件を見事に体現している。





理想の形を演じ切っている。
これこそが古流の妙技と言えるのではなかろうか。
よくよく吟味あるべし。






(完)
by japanbujutsu | 2018-04-18 17:40 | 技法研究の部屋 Skill
姿勢について

武術の形で最も重要な姿勢について少しだけ述べたい。
形を演じるには理に適った姿勢が求められる。
形において静止した姿勢が構えである。
形は構えから次の構えに至る動作の連続によって成り立っている。
だから初心者は徹底してこの構えに習熟しなければならない。
ここで正しい姿勢の習得を怠ると、以後に学ぶ形は総崩れになる。
結局、姿勢が悪いから何をやっても様にならない。
こういう人をこれまで何人も見てきた。
残念ながら体質的、感覚的なこともあり、矯正は非常に難しい。
何より本人がその崩れた姿勢について自覚していないのだからどうしようもない。

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この終始、正中線が崩れない香取神道流薙刀を演じる鳥飼よし女史の演武(ユーチューブで視聴可)をよく見て欲しい。







(完)
by japanbujutsu | 2018-03-29 17:16 | 技法研究の部屋 Skill
所作をなくした某古流

某古流柔術の演武を見た。
しかしそれはもはや古流ではなかった。
流祖および近世の歴代相伝者にも無礼である。
まず、古流にもっとも必要な技以外の所作がない。
形には前心、通心(技)、残心、復位と一つの形の中に四つのパーツが組み込まれていて、これが連環して一つの形が成り立っている。
しかし、某流には技以外の三つがまったく見られない。
酷いのは残心がなく、しかも復位するときに相手に背を向けてぶらぶら歩き、視線を相手から外している。
両手の置き場所も滅茶苦茶。
明治以降の相伝者がしっかりとした稽古をやってこなかった証拠である。

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戸塚派揚心流柔術の礼法






(完)
by japanbujutsu | 2018-03-20 17:29 | 技法研究の部屋 Skill
三尺刀による鞘捌き

先日の水月塾野外稽古場での独り稽古で、三尺刀の鞘捌きを稽古した。

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抜刀の瞬間に鞘を後ろ腰に引く稽古である。

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三尺刀では、抜いた後の鞘がその後の動作の邪魔になるため、こうした特殊な鞘捌きが必要になる。
だから当然、帯は袴の外に締める。
古伝を探求するのは非常に有意義な稽古となる。






(完)
by japanbujutsu | 2018-03-12 17:41 | 技法研究の部屋 Skill
蜘蛛手切

四天流剣術の 「陰之巻」 の初本 (一本目) は 「蜘蛛手切之事」 である。

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これについていろいろ考えた結果、次の結論を得た。

すなわち、その前に学ぶ 「四天之巻」 の 四手が 「東方剣之事」 「南方剣之事」 「北方剣之事」 「西方剣之事」 であるのを承けて、この 「蜘蛛手切之事」 はいわゆる 「八方切」 のことを言っているのである。
蜘蛛の足のように放射状に広がり、または組み合わされている状態を 「蜘蛛手」 といい、また、刀を四方八方に振り回す様子にも使われる。

蜘蛛の手は八方向に出ているから、八方塞がりの状態で戦う剣術の一手に違いない。




(完)
by japanbujutsu | 2017-12-29 17:09 | 技法研究の部屋 Skill
夢の枕

堀藤右衛門を祖とする無眼流長太刀の一手に 「夢の枕」 がある。

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他流でも時折見かける形名であるが、ほとんどの場合は柔術である。

信州伝無双直伝流和の 「夢の枕」 は捕が腕枕で寝ているときに受が切りつけようと小太刀を構える場面から形が始まり、これは水月塾が復元して、松代藩文武学校の演武会でも公開している。

しかし、剣術(薙刀か)における 「夢の枕」 の想定がわからない。
柔術と同じく寝ているところを襲われる場面なのだろうか。
刀は寝ていても、手が届く場所に置いてあるか、隠してあるかのどちらかであるから、形として考えられないことはないけれど、そんな形はいままで剣術で見たことはない。






(完)
by japanbujutsu | 2017-12-27 17:43 | 技法研究の部屋 Skill