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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

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山梨近県の武術

大学を卒業した筆者は、山梨県およびその近県に江戸時代から伝わる古武道はないものか、と静岡県や長野県まで含めて徹底的に調べたことがあった。

その結果、山梨県と長野県、それに静岡県は全滅であることが判明した。

静岡県には、筆者が相伝している力信流が明治時代から伝わり、他に水鴎流、柳生流、香取神道流があったが、いずれも近代になって入った流儀であった。

長野県には熊本の二天一流を相伝している筆者の恩師荒関がおり、また、長野市には広島で佐分利流を学んだ島田氏が当時は健在だった。

しかし、松代や松本などの大藩の武術は悉く絶伝していた。
現在、信州の旧藩武術を伝承しているという道場(流派)を数カ所(数流派)知っているが、すべてその来歴はねつ造である。

それを知ってか知らぬか、一部は公的団体に加盟して演武をしているのだから、最早、その団体は無知無教養の烏合の衆と化している。

いつになったら日本の武術界は浄化されるのだろうか。
そんな望みが叶うことは1%の可能性より低い。

ヨーロッパでは、どこの国でも黒い空手着に、黒い地下足袋を履いた「忍者」が畳の上を飛び交っている。
全部、日本人が教えたらしい。






(完)
by japanbujutsu | 2017-11-28 20:20 | 武術論考の部屋 Study
伝授文と天罰

武術の伝授巻の最後に記される長文を「伝授文」と呼んでいる。
そこには流規に違反すると日本六十余州の大小神祇が結集して天罰を与えるという掟が記されている。
その掟に、

○流規や師に背くこと。

という一文が書かれている。
流規や師範を冒涜したり、背いたりする輩には天罰が下る、というものである。
その流規に背く、一番の例が、

○来歴のねつ造である。

曲がりなりにも「古流」とか「古武道」を標榜するのであれば、自流の来歴を偽ってはいけない。
ないものはない。
自分の師匠が本当に「その藩に伝わっていた武術を稽古し、相伝を受けている証拠」がありますか。
火災で伝書が焼失したなどというのは、真っ赤な嘘であることに気づいてほしい。
自分の師匠が持っている伝書は、かつてその人が所属していた道場の別の来歴が記されている伝書ではないのか。
あなたは自分の師匠と、先代師匠と称する人が稽古(演武)をしている写真を見たことがあるのだろうか。
あなた自身が歴史には興味がないのかもしれないが、ねつ造された歴史こそ流祖やその系統に連なる過去の相伝者に対する最大の冒涜であり、もっともあってはならない神をも冒涜する行為である。

こういう輩は、自らの後ろめたさの故に、必ず、近い将来のうちに「天罰」を蒙るから、弟子はそれをしっかりと見ていることである。







(完)
by japanbujutsu | 2017-11-26 22:05 | 武術論考の部屋 Study
婦女子と薙刀

江戸時代から婦女子の武術として薙刀・鎖鎌・懐剣が行われていた。
しかし、婦女子は学ぶことはできたが、師範にはなれず、道場も持てなかった。
明治になると鎖鎌と懐剣はすっかり廃れてしまっていつのまにか消えてしまった。

画像は薙刀を操る遊女宮城野と鎖鎌を操る鄙処女信夫の姉妹(『本朝武芸百人一首』)

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一方、薙刀は明治末期から次第に女学校で指導がなされるようになり、昭和の戦前にあっては軍国主義下の日本にあってそれは全盛期を迎えた。

本来、流儀武術、総合武術の一課として、武士に相伝されてきた薙刀であったが、江戸時代にはすでにどの流派も悉く婦女子用の所作を創出しており、男薙刀とは別にこれを伝えた。

天道流と直心影流は言うに及ばず、
肥後の楊心流薙刀は星野家から分派して明治以降に女性に稽古され、現在は女性の師範が指南している。
香取神道流では昭和になると薙刀を女性に指導した。
念流でも昭和になると女性が稽古している。
戸田派武甲流は女性が相伝している。
津軽藩の直元流では白鳥家から笹森家に相伝が遷り、現在はわずかに女性が学んでいる。
我が穴澤流も例外ではなく、新庄藩士松坂次郎左衛門は女性に指導し、わが恩師五十嵐きぬが相伝した。
もう一つのわが柳剛流は飛違を多用するので現在、男性しか稽古していないが、要望があれば女性に指導することもやぶさかではない。

多くの流儀でこうした薙刀を現在、男性が学ばないのは大変に遺憾であるが、天道流・直心影流・楊心流・穴澤流などは婦女子用の形しか残っておらず、もはや男性が学ぶ機会は失われている。
男性が薙刀を遣う場合、その長さは九尺とされ、女性用の薙刀は七尺とされている。
これは流派を問わず、普遍的にみられる古来からの伝統である。





(完)
by japanbujutsu | 2017-11-22 20:43 | 武術論考の部屋 Study
手内剣の手入れ

しっかりと棒身を鍛えていない手内剣は使用しないとすぐに錆を生ずる。

本日は2時間かけて錆落としと焼き入れ、塗油の作業をした。

数が多いから一仕事である。

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武具の手入れはしっかりとやりたいものである。





(完)
by japanbujutsu | 2017-11-20 18:22 | 手内剣探究 shunaiken
久しぶりの打剣

11月は最高に忙しい。
OFFが一日もない。
まあOFFができるとそこに何か入れてしまうので結局なくなってしまうのが現状。

本日、自宅の手内剣場で2週間振りに稽古した。
さすがに腕は狂っていない。
天剣(七寸)は三間間から、

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地剣(六寸)は二間間から、

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人剣(五寸)は九尺間から、

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それぞれ打つ。
かなりの速度で打つので、当然命中率は長剣の方が雑になる。
人剣はほぼ全的中で、鬼的への命中率もかなり高い。

明日も打ってみよう。




(完)
by japanbujutsu | 2017-11-18 21:13 | 手内剣探究 shunaiken
行灯袴

行灯袴は袴のなかに中仕切り (襠) がないスカートタイプの袴である。
着流し姿の普及によって着用が簡便な袴として作られた袴で、江戸後期には一般化した純国産の「和袴」である。

武術の稽古ではほとんど使われない・・・
というのが一般的な見解である。
武術で使うのは馬乗袴、そんなことはだれでも知っている。

それでは本当に行灯袴は武術の稽古で使われなかったのだろうか。
ここに一枚の写真がある。
雑誌の取材で天神真楊流の宮本半蔵と香取神道流 (揚心古流) の杉野嘉男が 「引立」 の形を演じている一枚である。

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ここで宮本が着用しているのは明らかに行灯袴である。
取材ということで、演武をするつもりはなく、着流しに袴で来たのだろうか。
でも他の参加者はしっかりと紋付きに馬乗袴を着用しているから、最初から演武をする予定であったはずである。
これから江戸期の文献を精査して考証してみたい。
※考証は 『水月』 紙で発表する。





(完)
by japanbujutsu | 2017-11-16 17:08 | 武術論考の部屋 Study
関口流抜刀術駿河館 箱根神社演武会

12日(日)、静岡県裾野市の関口流抜刀術駿河館は、箱根神社で演武会を開催した。

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正式参拝の後、武道場にて午前・午後の二部に渡って演武した。

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(完)
by japanbujutsu | 2017-11-14 17:14 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryū
関口流抜刀術駿河館

先日の藤枝における静岡県古武道演武会の日は、ちょうどルーマニアから我が本部道場にキァラヴァン夫妻が稽古に見えており、この日は同行させて演武を見学させた。

帰りに折角の機会だから、駿河館も見学させ、記念写真を撮影した。

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(完)
by japanbujutsu | 2017-11-12 17:39 | 武術論考の部屋 Study
薙刀の操法

同じ飯篠長威斎の流れでありながら、どうして操法がまったく異なるのだろうか。

香取神道流と穴澤流の薙刀。

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香取神道流では三等分把持法を用いるのに対し、穴澤流では三分一把持法を採用している。
ちなみに直元流、戸田派武甲流では二分一把持法、天道流は石突側を余した三分一把持法、直心影流は短い薙刀を遣うため穴澤流とほぼ同じである。

薙刀を持つ位置を変えると操法はまったく異なるものとなる。
三等分把持では石突を多用する特徴があるが、薙刀中央部を操法の回転軸としているため、打太刀(剣)との間合いが剣と同じになり、薙刀の長さを活かすことができないという難もある。
穴澤流の回転軸は手元で、操法は剣と同じ理合である。

詳細な考証は 『水月』 紙上にて。





(完)
by japanbujutsu | 2017-11-10 17:05 | 武術論考の部屋 Study
静岡県古武道演武会

11月5日(日)晴天の好日、静岡県藤枝市の郷土博物館で第二回目の古武道演武会が開催された。

演武流派は英信流、水鴎流、関口流、伯耆流、香取神道流、戸山流の六流派。

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当日は静岡県内の刀剣展も開催されており、興味深く見ることができた。





(完)
by japanbujutsu | 2017-11-08 17:17 | 演武会・講習会 Seminar