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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

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袴の結び(再)

中傷誹謗はいけないが、明らかに誤っているものを黙って見過ごすのもまた罪であると思う。
ことあるごとに啓蒙していかなければ、この世の誤謬はいつになっても正されない。

たとえば袴の結び。
合気道に見られるこの甚だしく無様な団子結び。

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これは結びそのものが誤っているのではなく、その下に締めている帯がダメなのである。
袴を着けるときに、その下に柔道帯をするなど言語道断。
日本人の美意識はいったいどうなっているのだろう。

次に居合道における袴の結び。
これも以前に述べたことだが、この十文字結び。

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これは冠婚葬祭用のものであって、武道の稽古・演武にこのような結び方は古来から存在しない。

文化の喪失、変質はあっという間におきてしまう。
恐ろしい世の中だ。
無知無教養無頓着無様無関心無神経・・・






(完)
by japanbujutsu | 2018-06-25 17:16 | 武術論考の部屋 Study
茶刀

武家に伝承された完全相伝制の石州流茶道で刀を腰に差したときのお点前がある。
このときに腰に帯びるのが装飾脇差、すなわち茶刀である。
長さは凡そ一尺五寸~一尺八寸。
江戸時代、茶室に呼ばれた武家は茶方人に対し、木刀であることを告げ、持ち込みが許されたという。
咄嗟の護身用具としては最適な武具である。

今宵、紹介するのは我がコレクションから二点。

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一つは(写真上)手貫紐用の小穴を穿っただけの極めて質素な造り。
「無」の一字と花押が赤銅で埋め込まれている。
身分の高い武士が使用したものであろう。

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もう一つは柄と鞘の部分をはっきり区分したした造りで、栗形と下緒も付いている。
柄には猪牙の瓢箪、鞘には果物籠が埋められている。

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世界最高水準である江戸職人の腕の良さには驚くばかりである。







(完)
by japanbujutsu | 2018-06-23 17:02 | 武具の部屋 Arms
甲陽水月流手内剣(水月針剣)天剣を打つ

正統な手裏剣術が全国どこにも伝承されていないので、残されている確かな文献から古(いにしえ)の技法を探求し、実践していくしか、その道を究める方法はない。

正統だと期待していた某流派の手裏剣術が、とある流派からの転用であると聞いてガッカリした。

さて、当国際水月塾武術協会で稽古している甲陽水月流手内剣は、打法は根岸流と大差はないが、身体の使い方はまったく違っている(制剛心照流に倣う)。
それは何度も書くように、我が流派の手内剣は右足前の右手打ち、すなわち順体打ちであること。
最初は左足前で構え、右足を進めて順体で打つ。
だから敵との間合いは打つ瞬間に三尺ほど詰まる。
剣の袈裟斬りをそのまま手裏剣に応用した打法である。

このところ三間から天剣(七寸水月針剣)を放つ稽古を専らとしているが、本日は10分間打ち続けて全中という奇跡的な稽古ができた。

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久しぶりに雨が上がったので、調子がよかったのかもしれない。
本日の狙いは 「水月」。

かなりまとまって的中した。





(完)
by japanbujutsu | 2018-06-21 20:29 | 手内剣探究 shunaiken
虚言と無知

師範と称する人が自分の流儀の歴史を正当化するために、その弟子に懇々とウソ八百を並べている。
傍らでそれを聞いていて 「虚言(師範)と無知(弟子)」 の共存の浅ましさに思わず耳を塞ぎたくなる。

この情報が氾濫している世の中にあって、平気でウソをついて流儀を冒涜している 「ろくでなし」 と、それを聞いてなるほどと感心している 「ノータリン」。

個人も組織もひどいものだ。
組織は何が正しく、なにが虚偽なのか、それを見抜く能力さえもない。
創作流儀が5つも入会している全日本古武道協会。
空手を古武道として入会させている時点でアウトである。
まともな審議員が一人もいないと見える。

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俗から身を引いた武蔵先生の境地がよくわかる。






(完)
by japanbujutsu | 2018-06-16 12:58 | 武術論考の部屋 Study
九字の扱い

最近、若い古流の修行者たちが盛んにワークショップやら講習会やらを開催している。
それはいいとして、さてその内容である。
最近、ある集まりで、なんと 「九字切り」 をしているという記事を見た。
真言秘密の恐ろしさを知らないと見える。

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「九字十字之大事」 は各流儀とも秘伝でこれを伝えた極めて危険な修法なのである。

絶対に九字切りなど安易な考えでやるべきではないと警告する。

幸い、だれも口伝を得ていないと思われ、九字の犠牲者はいなかったようだが、もし、正式な方法で九字を切ったなら、受けた者は七転八倒して気絶する。
しかも恐ろしいことに解除の方法を知らないとかかったまま意識を取り戻すことができなくなる。

たとえ真似でもこのような危険なことは絶対にやってはならない。

筆者が相伝している柳生心眼流兵術と浅山一伝流柔術には九字の伝があるが、いずれも筆者の代で教伝は中止している。
正式に古流の相伝を受けた者なら九字の危険を知っているはずであり、現代社会においては正に前近代的なそのような護身法は絶対にしないはずである。

もし無知な者が九字の真似事をしていたら即刻止めるように厳重注意をすること。





(完)
by japanbujutsu | 2018-06-13 17:34 | 武術論考の部屋 Study
松坂次良左衛門臣盛

現在、水月塾において穴澤流薙刀と天道流武術を専門に稽古している横浜稽古会の吉元恵美さんが、新庄藩における穴澤流の歴史を調査されており、先日 『新庄市史別巻 自然・文化編』 に掲載されている穴沢流薙刀第十一代師範の松坂次良左衛門が写る写真の存在を教えてくれた。

松坂師範は藩の武芸演武場が閉ざされた後、自ら新庄城趾に尚武館を設け、そこで新庄藩伝来の武芸を伝授した。
筆者の師匠、五十嵐きぬ先生の教示によると、松坂師範は立派な顎髭を蓄えていたというから、この写真で薙刀を立てて構えているのが松坂師範であろう。

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もちろん穴澤流の構えである。
襷を掛け、袴は股立を取っている。

思わぬ出会いに感激した。
松坂師範は身体が小さいと見えて、薙刀が随分と長く見えるが、それを差し置いても長い薙刀には違いなく、これこそ男薙刀であることがわかる。
どこかにこの薙刀が残っていないだろうか。

吉元さんの今後の調査に期待したい。






(完)
by japanbujutsu | 2018-06-11 19:41 | 穴澤流薙刀 Anazawa ryū
香取真魂流飛刀術手内剣

仙台藩士今野家の家伝である天真正伝香取真魂流飛刀術手内剣を打つ。

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もちろん流儀は絶えているが、手内剣を打ってみることはできる。
面白いことに、水月塾の甲陽水月流水月針剣のいずれとも異なる打法でなければ刺中しないことが判明した。
いろいろと工夫しているうちに、特殊な打法で刺中させることができたが、やはり三間での刺中率は低い。

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このような平打ちの幅広の手内剣は手の内に今一つ疑問が残り、甲陽水月流ではこれを採用しない。






(完)
by japanbujutsu | 2018-06-03 17:31 | 手内剣探究 shunaiken
再び模造刀と居合刀について

模造刀と居合刀はまったく違う刀である。
無知無教養な刀剣商や武道具店は論外である。
少なくとも、実際に稽古をしている諸賢はこの二つを混同してはならない。

皆さんが現在、稽古に使用している刀は居合刀ではない。
下の画像の刀がそれ。

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これは居合刀ではない。
武士の差料 (公用刀、大小) を模した模造刀である。
江戸時代の武芸の稽古ではこんな刀は使わない。

江戸時代、居合の稽古に使用したのは下の画像にある刀(渋川流、講武実用流で用いる居合刀)。

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皆さん、正しい知識を持ちましょう。
誤解がひどすぎます。
残念ながら、現在、居合刀を販売している刀剣商や武道具店は一つもありません。






(完)
by japanbujutsu | 2018-06-01 17:23 | 武具の部屋 Arms