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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

花押の事

花押については拙著において何回か詳説しているので、その種類や特徴についてはここでは触れない。

花押はいわゆる武士のサインであり、「書き判」 とも呼ばれている。

武術の師範は伝授巻の署名において、この花押と諱は必ず書かなければならず、さらに花押には必ず朱印を押す必要がある。

さて、その花押。

形式と同時に様々な講釈があり、作成についてはそれらをよく心得る必要がある。

今回はそれを 『奉極御判形』 から見てみよう。

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これは形式上の分類では、もっともオーソドックスな 「天平地平の明朝体」 となる。

その一画一点に次のような意味がある。

福徳之点 除敵点 住所之点 眷属之点 衆人之点 命之点 運之点 知恵之点

これらをすべてクリアする必要はない。

デザインを考える上で特にどれを意識するかの違いだけである。
# by japanbujutsu | 2013-08-11 17:42 | 武術論考の部屋 Study
鍔~平安城与四郎~

お気に入りの鍔は平安城の与四郎。

径が大きいのと大胆な透かし、それに真鍮の植物の葉と線象嵌で描く蔓が独特の個性を創っている。

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左は真鍮で覆輪を施したもの、右は猪目の透かしを編み目の線象嵌で縁取ったもので、鍔そのものに貫禄がある。

象嵌の剥がれのないものは高額で取り引きされる。
# by japanbujutsu | 2013-08-08 17:07 | 武具の部屋 Arms
四天流組討目録

四天流は肥後熊本藩における有力な柔術流儀である。

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肥後では星野家が伯耆流居合、楊心流長刀とともに指南した。

江戸時代から肥後には柔術三流として四天流、竹内三統流、それに扱心流が隆盛した。

この三流儀を指南家は四天流が星野家、竹内三統流が矢野家、そして扱心流は江口家が相伝した。

四天流の祖は成田清兵衛。

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柔術指南としての星野家の祖は星野角右衛門実員で四天流の四代目である。

明治時代に熊本の柔術振興に尽力したのが星野九門。

明治三年に相伝を許され、大正五年に没するまでに入門した者は組討、居合、長刀、棒術など数百人に及んだという。

九門が肥後藩各流柔術師範家七派を統合して制定したのが肥後流体術である。
 
『武芸流派大事典』 に「二天流寺尾求馬助信行に破れて入門し、その長をとって二刀の術をはじめ、信行から四天流と名付けられた。」とあるが、「四天」には立派な意味があり、二天流説を盲信するのは早計だと思われる。

流儀は現在も熊本に伝えられている。

また、その形の解説が『肥後武道史』に詳細に記録されている。
# by japanbujutsu | 2013-08-05 17:20 | 秘伝書の部屋 Secret densho
大東流の真実史を語る

これだけさまざまな情報が飛び交い、また家に居ながらにしていくらでも情報が入手できる時代に、まだ大東流が江戸時代から伝えられてきたものだと主張している輩がいる。

酷い場合には新羅三郎義光を引き合いに出したりしていて、手が附けられない有様である。

大東流は武田惣角が案出した武術に違いなく、明治三十年以前の伝書は発見されていない

よって明治三十年頃に成立したこともほぼ間違いのないところである。

武田惣角の武術修行歴は直心影流や小野派一刀流など判明しているものがあるが、既存していた柔術の修行歴も確認されていない。

要するに武術の天才が創出した明治時代の新柔術なのである

伝書はあるが、古流の体裁を踏襲することはなく、形の解説に終始している。

古流独特の形の名称もない。第一條、第二條、第三條・・・・と羅列されているだけである。

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そして、伝書の最後に書かれている系図は武術の相伝系図ではなく、会津武田家の家系図を載せただけである。

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東京において嘉納治五郎が講道館柔道で脚光を浴びている中、旧会津藩の矜持から生まれたのであろう反骨精神により、天才の手によって講道館に対抗すべく柔術が完成したのである。

だからその大東流は当初、主として旧東北諸藩の、それもすでに武術の実力を持つ旧藩士や警察官に伝授している。

惣角に武術を学んだ者たちは元々他流の免許皆伝者であり、実力者であったから、短期間の講習でたちまち腕を上げていった。

技も腰技や足技を駆使する講道館柔道とはまったく対照的に、非力が大男に勝つための手業だけによる逆捕、逆投の斬新な内容だった。

これまで特定の人たちによって語られてきた、大東流の源流を会津藩御式内としたり、浅山一伝流だとしたりするのは何の根拠も物証もない捏造された妄説である。

なお、これに類する 「大東」 の文字を使った合気柔術諸派、武田流合気之術、あるいは 「武田」 の文字を使った合気系武術の諸派は全部、第二次世界大戦後に創作されて世に出てきた武術である

これからは世を欺く時代ではない。嘘はすぐにばれる。

筆者は創作武術が悪いとは言わない。

創作武術であるのにもかかわらず、その歴史を捏造するその行為が悪いと言っているのである。

創作された流派であってもその内容が素晴らしければ人は集まる。

創作は創作として、その武術の正しい成立過程を伝えていくべきではなかろうか。

嘘はいけない。
# by japanbujutsu | 2013-08-03 17:54 | 武術論考の部屋 Study
護手月牙 (鴛鴦鉞)

この兵器は三日月形の月牙と呼ばれる刃を備えた小兵器で護手月牙という。

八卦門で用いる 「子母鴛鴦鉞」 と同種の兵器である。

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もちろん双兵器なので、両手に持って扱う。

拳法の延長上にある典型的な套路用表演兵器である。
# by japanbujutsu | 2013-08-02 21:52 | 武具の部屋 Arms

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