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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

形(かた)のない古武道???

とある道場でのこと。

「ここで教えているのは何ですか」 と問われ、 「古武道です」 と答える。

そして、さらに説明を聞いていると 「うちの武道には形がないんです」 という。

その言葉で、すでにそこで教えているのは古武道ではないことがわかる。

古武道には流儀があり、その流儀の本体は形の集合体なのである。

古武道は代々伝えられてきた形の習得を以てその流儀を継承していく。

日本文化にはすべて決められた所作、すなわち形が存在し、その形が絶対的な権威を持つ。

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                            関口流居合「篠露」の形

形がないのは古武道とは言えず、それは単なる格闘技に過ぎない。

技は個人の所産であり、それは感覚的才能によって身に付くものであり、弟子にまったく自分と同じ技を伝えることはできない。

技には決まりがないからどのようにも変化でき、どのように対処してもよい。

要は 「技が掛かればよい」 のである。

形は予め想定されている敵の攻撃に対して、予め決められている動作でそれを制することを習得する。

だから形と技は根本において、その存在意義がまったく異なるのである。

流儀、すなわち形は流祖からの預かりものだから、そのままの形(かたち)で次の世代に伝えていかなければいけない。

技は師匠と弟子で違っても構わない。

形は師匠と弟子が違ってはいけない。


こんな基本的なこともわからずに、それを古武道と言っているのだから驚く他はない。

だいたい、戦前の伝書もなく、戦前の演武記録もない、そして江戸時代にどこに伝承されていたのかもわからない古武道がどこの世界に存在しうるのだろう。

もう少し、日本人がまともな頭をもっていないと、世界の武術は支離滅裂になってしまう。

否、すでになってしまっているから、どうしようもない。

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                            関口流居合「恋剣」の形

形は古武道の本体であり、流儀における最重要の履修課程である。
# by japanbujutsu | 2013-07-25 22:00 | 武術論考の部屋 Study
明末清初の八節鞭

七節鞭、八節鞭、九節鞭などの多節鞭は現在でも中国武術の表演会ではよく見られる種目である。

紹介するのは八節鞭で、把部には獣皮が巻いてある。

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しかし、完全に「見せるための演技」と化しており、実践性は極めて乏しいと言わざるを得ない。

大体、鞭を自分の身体に巻き付けるなどという所作が武術にあるわけがない。

古い多節鞭は鉄味もよく、造りも精巧である。
# by japanbujutsu | 2013-07-23 17:57 | 武具の部屋 Arms
二天一流相伝式

平成25年7月、細川藩伝村上派兵法天下一二天一流の免許皆伝相伝式が行われた。

被授者は大阪支部の師範、無津呂弘之と山根章の両氏。

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相伝式に先立ち「五方之形」の検視を行い、両氏共に仕打両方を演武、誤伝なく形の相伝が終了。

続けて、和室に移動し、香取・鹿島の神前において相伝巻物の伝授式を古式に則り挙行した。

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今後、関西の地において当流が後世に相伝されていくことを願うばかりである。
# by japanbujutsu | 2013-07-21 20:24 | 兵法二天一流 Nitenichi ryu
鉄鞭

鉄鞭は短鉄棒の尖端に鎖分銅を接続させた短兵器である。

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これらの短兵器の多くは、清朝初期に暗躍した秘密結社の指標兵器として使用されたことが明らかになってきている。

だから武術の門派での使用例がほとんどないのである。

紹介する2本の鉄鞭は鎖が特に異なり、一つは普通の沸かし付けによる円環であるが、もい一つは小さい鉄の部品を折り曲げて繋げる特殊なもので、指標兵器にはよく見られる形態である。
# by japanbujutsu | 2013-07-20 17:49 | 武具の部屋 Arms
鉄尺(双釵)

鉄尺(双釵=日本ではサイという)の我がコレクションは百丁以上になり、日本最大の蔵品となっている。

鉄尺は中国から拳法と同時に沖縄に伝えられ、さらに本土に伝えられた双兵器である。

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詳細は拙著『金鷹拳』に述べたが、沖縄でのサイの使い方は誤っている。

この短兵器も古い時代には一本で使い、反転させて棒身を手前に廻し、把部で突く技法は古くは存在しなかった。

鉄尺が実用から隔離し、拳法の兵器として採用されると、芸術性を帯びてきて、上記のような技法も見られるようになった。

鉄尺の鍵は兵器を受けるためのもので、反転して指に掛けるためのものではない。

今回紹介した鉄尺は明末清初の極めて貴重なものであり、すべて一本使いの時代のものである。
# by japanbujutsu | 2013-07-17 17:32 | 武具の部屋 Arms

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